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2014年8月 7日 (木)

夕霧に消えた恋 155

華奈どうしたの、それは判るわよ、私だってお父さんだって同じよ、いきなり世界がかわった見たいで何が何だか判らないわ、高川さん所だってそうよ、でも、何時まで考えていても仕方がないわ。

母はそう言うが、華奈はそうも行かない、事故でないことがはっきりすれば、間違いなく美華に連れて行かれたのでしよう。

落ち着いて優の立場で考えれば、美華と架空の結婚した優も、現実の雰囲気にだんだん追い詰められて身体極まっていたのでしょう。

優は決して悪い人と思えないが、華奈は精神的にも肉体的にも大きなダメージを受けた。

あの婚姻届の日付けを見た限りでは、美華は亡くなって、殆どすぐ優のアパートに現れている、余程、想いが強かったのか?

思い出せば時期的にあのスナップ写真を撮った頃から美華の態度が変わったように思う、そうだったら内緒ごとなしねって言ったんだから、相談して欲しかった。

こうなれば天国で一緒になればいいけど、私は、結果的に夫を取られたんだ、霊だからと言って許す訳には行かない、一言、いってあげないと気が済まない、お墓へ行って決着つける。

れから一ヶ月ほど過ぎた頃、華奈は一人で、美華の墓参りをした。

白バラの花束の真ん中に白百合を一本だけ差し込んだ、大きな花束を抱え、例の、絹の純白ドレスを着用し、ロングヘアーを靡かせた華奈の墓参姿は、道すがら、すれ違う人たちは、振り返るほど気品があり、優雅だった。

墓の近くへ来ると霧が立ち込め、物音一つしない静かな中に不気味な雰囲気が漂っていた。

 優はもう帰らないだろう、その事については他の人にはとも角、高川の母にだけは、何れ説明しなければならない時が来る、例え信じなくても、念のため、優と美華の婚姻届はコピーしておいた。

墓前に来た華奈は、優と美華の婚姻届の入った白い封筒を取り出し、捻じって、お線香かわりに点火し封筒はマグネシュームが爆発するようにバッと音を立て閃光し一気に燃焼、華奈は一瞬飛び退いた、華奈は立ったまま、美華の墓石に向かって何かブツブツ言っていたが、いきなり声を出し、

 華奈にはチャント聞こえたの、美華は最後に言ったじゃないの、華奈は私の分も幸せになってね、優さんは、キット、必ず華奈を愛してくれるって、それなのに、どうして優を連れて行ったの、婚姻届まで作って、美華のウソツキ!

と言いながら、持っていた花束を墓石に向かって投げつけた、いつの間にか霧が消えていた。 

 

 

 平成26727

  奥本 康

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