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2014年7月17日 (木)

夕霧に消えた恋

華奈はすぐ、係りのボーイに優がデッキに行ったので連れて来てくれる様にたのみ、船室に戻った。

優が出て行った後、船内放送が終わると殆ど同時に、生暖かい湿った空気が、ふわーと流れ込み、微かにバラの香りが漂って来た。

華奈は自分の匂いかな?と思ったが、京さんの事件があった時もこの匂いが付き纏っていた、この匂いは子供の頃から知っている明らかに美華のものに違いなかった、華奈は胸騒ぎがして、船室係りを呼び、優を探すようお願いし、船内放送もされたが、優は見つからないと言う、乗客が1名不明になったとの噂は船内に広がり、一時混乱したが、ご心配ありませんと船内放送があり、落ち着いた。

捜索は他の乗客に迷惑が及ばないよう秘密裏に緊急捜査を開始した、デッキは無論のこと船内も隈なく捜索したが手掛りは全くなかった。

乗務員はサーチライトでの海上捜査も行ったが濃い霧のため何も見つける事は出来なかった。

兎に角、霧が晴れないと、デッキも海も捜索出来ず待機するしかなかった。

華奈はデッキへ行かせてとお願いしたが、危険だからと船室に閉じ込められていた、顔を顰めてどうする事も出来ないもどかしさにイライラして泣き出しそうだった。

捜索は夜通し行われたが、夜が明けて、霧が消えても、優はみつからなかった。

華奈は疲れて、ウトウトし、昨日からの事が走馬灯の様に思い出され、これは夢だ、絶対夢だと思ったが、現実に優は消えてしまった。

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