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2014年7月10日 (木)

夕霧に消えた恋 147

硬くなると踊りがぎこちなくなるわよ、ワルツにする?タンゴにする?

俺、やって見ないと判らないなぁ。

あら、頼りないのね、まぁ、いいわ、組んで見ましょうよ、選手権に出るんじゃないわ、社交だから慣れよ、何とか成るから。

二人でのリハーサルとは言え今まで手も握った事が無かった二人にとっては、ぎこちなく緊張そのものだった、ステップが合わないでよろけると優は無意識に華奈を抱きとめた、その時、華奈の体から微かにバラの香りがして、何となく体が軽くなった、優は美華を感じ、一瞬、入れ替わったかな?と思った、ダンスは華奈の方がはるかに上手だった。

華奈は優に身を任せ、ホールへ行かないで、音楽なしでも、此のまま優と踊っていたかった。

ぼつぼつ行ってみようか、と手を取り合って船室を出た、ホ-ルの左側はカウンターバーになっていて賑わっていた。ダンスをしている人達も場所を考えた品のある身なりで、感じが良かった。

華奈はどこにいても人目を引いた、二人にはパートナーのリクエストもあって忙しかった、何曲か踊った所で優は、

少し飲み過ぎたし疲れた、デッキで風に当たってくる、頭がすっきりすると思う。

私も行く。

ほんの2~3分だから、パートナーのリクエストする人も待っているし、華奈は踊っていていいよ、すぐ戻ってくるから、心配するな。

私も、優とデッキで風に当たりたいの。

優は、華奈の話を聞き流しながら、片手を上げて、じゃ、一寸、行って来るね。

立ち上がっている華奈を制して、ホールから出て行った、華奈は、他に踊っているお客がいても、ここで一人になるのが、寂しいような、悲しいような、何となく不安げに立ったり、座ったり、落ち着かないで、優の出て行ったドアを見つめていた。

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