無料ブログはココログ

« 夕霧に消えた恋 120 | トップページ | 夕霧に消えた恋 121 »

2014年4月13日 (日)

夕霧に消えた恋 122

京は精神的にも不安定なところがあるので一週間ほど入院し、華奈は休暇を取って、毎日のように見舞いに行った。

京にしてみれば、あの日は、退社までに少し時間があるし、何気なく社長室の絵を見ていた、気が付くと絵の額縁が壁イッパイに大きくなっていた。

何時の間にか絵の中に華奈さんがいて、おいでと手招きしている、一寸ためらいはしたが、華奈さんのいる中の景色は格別で見とれていた、バラの香りもして気分も最高だった。

京は、吸い込まれるように額縁を跨いで絵の中に入った、整備されたゴルフ場の様な芝生の中を華奈と二人で逍遙していたが、だんだん里山の奥へと迷い込んで行った。

霧が出てきて辺りの見通しが悪くなってきた、この日の華奈は白のワンピースを着ていたので顔だけ浮き出ている感じだったが、急に霧が濃くなって、お互いに手を取り合う間もなく見えなくなってしまった。

京は濃霧の中で華奈を呼びながら、周りを探し回ったが、疲れて茂みの中で動けなくなってしまった。

京は寒くて気が付いた、体に絡まった、つる草を取り除いていると、遠くから自分を呼ぶ声が聞こえる、返事をしたいが声が出ない。

« 夕霧に消えた恋 120 | トップページ | 夕霧に消えた恋 121 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。