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2013年9月12日 (木)

夕霧に消えた恋 62

美華は自然の流れだから仕方がないんだと言うが、優は、心の中で、工事を請け負った会社に申し訳なく、気の毒に思い、この事について深く聞く気はしなかった。

明日、華奈を連れて行くんだって、妹なんだから気にしなくても良いわよ、私も付いていくから、私、優とデートの約束をしたから、若しかしたら入るかも知れないわ、私と華奈を間違えないかしらね。

?……意味を聞こうと思ったが、美華が消えた。

デートの約束をしたから、若しかしたら入るかも知れないって、どう言う意味か、美華と華奈を間違える、何だろう。それは似ているから間違える事もあるだろう、まぁ、了解を得たんだからいいか。

当日、どこで待ち合わせしようかと考えていたら、華奈さんから車で行くから迎えに行くと電話が来た。場所わかる? 叔母さんに聞いたから判る。 道、知らないでしょう。そんなのカーナビでわかります。

はぁ~そうですか。12時にと言うから道路に出て待っていた、華奈は時間があるから一寸と、部屋に入りたがったが、こんど、今度と車に乗り込んだ。

部屋へは美華以外の女性はたとえ華奈でも、上げたくなかった。

華奈は殆ど白に近い淡い透明感のあるコバルトブルーのワンピースを着て、白いベルト、白の靴を履いていた。

そのワンピースの色は、美華の話していた心の里の色を想像させ、優は一瞬、美華とドライブしている様な気持ちになり、うつろな状態で、華奈の話しかける言葉や、外の景色など、耳目に入らなかった。

華奈は、生返事をする優を変に思ったらしく優さん、どうかしたの?と訝った。

車を降りた二人を社長秘書が出迎えた、あの、お聞きして無かったのですが、奥様でいらっしゃいますか? ちがう、違う、ともだち、友達だ。

やぁ、先生よくお出で頂きました、女性の秘書が耳打ちした、お友達だなんて先生もお人が悪い、お綺麗な方ですね、フィアンセの方でしよう、いやいや、判っていますよ、まあ、こちらへ。

電話で話してあったので、優は会場へ、華奈は秘書に案内されて社長室へ行った。

社長室のドアが開くと、気が付かないほど淡いバラの香りがした、華奈は入るなり立ち止まった。

華奈は今まで霊だの霊界なんて有るのか無いのかハッキリしないものは、話しには聞いていても考えた事はなかった。

でも、どうもおかしい、今日の優は何故か華奈を見つめている、外に目をやっても、首を傾げる様にして華奈を見る、外出するから少しお洒落をしたからかなと思っていたけど、どうやら美華の霊らしきものが自分の周りに付いて来ているらしい、霊って本当にいるなかなぁ?他人には気付かなくても、優さんも何かを感じるのかな?優さんと美華は、あのスナップ写真の時、以外に付き合いがあったのかしら?そんな筈は無い、素振りもしなかったし、聞いた事も無かった。

秘書の方が社長室のレイアウトや絵のことについて優からアドバイスをして頂き、とっても評判が良い事など説明してくれていたが、華奈は絵に吸い寄せられている様に、絵の前から離れなかった。

絵の景色は間違いなく、あの里山だった、絵からはバラと百合の入り混じった微かな香りがしていた。

美華が間違いなく絵の中に入っている。

あの里山に何かの因縁でもあるのだろうか?

華奈は少女のような好奇心に掻き立てられていた。

秘書の女性は、油絵がだんだん大きくなって一枚ガラスの窓枠位にまでなり、その立体画面の奥行きが遥か彼方の高い山まで続いている、野原の所々に咲いているバラから微かな香りが漂って来た。秘書の女性は無意識に華奈の方へ近づいて行った。

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